【映画感想】「首」
公式サイト：映画『首』公式サイト
2023年11月23日公開。監督は北野武、出演はビートたけし、西島秀俊、加瀬亮、浅野忠信、大森南朋、中村獅童など。原作は北野武の「首」。
感想
一言でいうとただただ汚い。人間関係もそれぞれの思惑もすべてが汚い。NHKの大河ドラマが光とするとこっちは闇。まさに正反対の存在。当時の武士たちの文化で絶対に切り離せないものを描いている。
ビジュアルはひとまず置いといて、歴史ものの映画としては結構とっつきやすい部類かと思います。本能寺の変も分かりやすい題材ですし、劇中の会話で話されている内容がほぼ現代語なので耳にスッと入ってきて理解しやすいです。どうしても歴史ものというと最後まで真面目な感じで終わっていくことが多いですが、本作はところどころにちょっとギャグっぽい要素も混じっているのでそこもなかなか取っつきやすいかなと思います。とはいえ、ここ笑っていいんかな？と思うような場面もありましたが…
本作で特筆すべき部分は2つあって、1つは俳優陣の演技です。予告編を観ればわかる通り、織田信長役の加瀬亮はすごいですが、個人的には本作の中ではこの織田信長が標準でほかの俳優陣もぶっ飛んでました。個人的に好きだったのは西島秀俊と中村獅童ですね。西島秀俊は地味な感じかと思いきや、シーンごとに光ってる感じがしました。中村獅童はとにかく最初っからフルスロットルでした。
2つ目の特筆すべき点は、ストーリー中の表現ですね。最初にも書いた通り会話がほぼ現代語だというのは歴史ものだとなかなか見ない表現です。大きな点として、当時の戦国武将たちの文化を描いている点です。なかなか戦国武将たちの男色文化というのを描いている作品は少ないと思います。やっぱり正々堂々というかかっこいい描かれ方をする戦国武将たちですが、本作では策略の汚さや男色文化などどちらかというと闇の部分に焦点を当てているのかなと思いました。
北野作品は今回初めてでしたが、割と取っつきやすかったです。とはいえバイオレンスな表現は多いので苦手な方も多いかなと思います。調べて気づいたんですが、北野作品はデジタル配信されてないんですね。アウトレイジとか観てみようと思ったら配信されてなくてびっくりしました。
余談ですが、パンフレットは買いです。値段以上の価値があります。
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