【映画感想】「アリスとテレスのまぼろし工場」
公式サイト:映画「アリスとテレスのまぼろし工場」|maboroshi
2023年9月15日公開。脚本・監督は岡田麿里、制作会社はMAPPAです。
感想
どこか懐かしいような閉じた世界の閉塞感のなかで繰り広げられる人間模様はどこか生きていることを実感したいように見える。この閉鎖的な世界で繰り広げられるストーリーは様々な人間の業が詰め込められている。
岡田麿里監督2作品目ですが、やはりこの監督は母親の愛情がすごい好きなんだろうなーという風に思いました。前作の「さよならの朝に約束の花を贈ろう」でもがっつり母親の愛が描かれていました。今作もがっつりではないですが、きちんと描かれていました。
舞台となる世界のストーリーをきっちり追いかけようとすると、結構難解なように感じます。僕は世界観が気になってしまうタイプなので、割と初見では、この世界ってそもそも何なんだろう?という風になりました。逆に、単純に主人公たちのストーリーを追いかけていくには割とわかりやすいと思います。
予告編を観てもらえればわかりますが、アニメーションのクオリティはとても高いです。予告編でいいとこだけ見せてるというわけではなく、全編クオリティが高いです。特に世界がガラスのように割れていくシーンはとてもきれいで印象に残りました。
また、製鉄所の設備や電車や電線であったりなど工業系の設備の作画やそういったところも結構好きでした。
ストーリーについては語れる部分は割と多いですが、クリティカルなネタバレになってしまうのでここでの言及は避けておきます。考察はおまけに書いときます。観た後に読んでみてください。
主題歌である中島みゆきの「心音」は、まさにこの作品にぴったりです。観た後に改めて聴くと、とある登場人物に完全一致しています。余談ですがアニメ映画に対しては、初めての楽曲提供のようです。
上映しているところはだいぶ少ないと思いますが、機会があればぜひ観てみてください。
おまけ
入場者特典のポストカード。表と裏
※ネタバレ注意
この作品では現実世界ともう一つ別の世界がある。別の世界は仮に幻想世界とすると、主に繰り広げられるのは幻想世界のほうである。ガラスが割れた先の世界が現実世界である。
幻想世界では変化があると消えてしまうというルールがある。なぜこのルールが存在するか?それはこの世界の主が佐上衛(製鉄所の従業員の博士みたいなやつ)だからである。序盤で製鉄所が爆発した描写がある。この時点で現実世界の佐上衛は死亡している。このときの残留思念的なもので幻想世界が作られた。だから幻想世界で佐上衛は異常に浮いている存在で世界の仕組みに詳しかった。自分がある時の世界なので佐上衛は人や世界をまるで神様のように思うがままにコントロールしたかった。変化がある=幻想世界の人が自我を持ち始め思い通りにできなくなる。だから変化がある人は消えてしまう。
つまりこの幻想世界の人達、現実世界になにも影響を及ぼさない、終わってしまっても何も問題がない、なぜなら想像の世界の中の人物たちだから。
この世界で唯一のエラーは五実の存在で、ここだけは唯一現実世界に影響がある部分である。
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