【ドラマ感想】「岸辺露伴は動かない(ドラマ版)」シーズン1~3

公式サイト:岸辺露伴は動かない – NHK

2020年より特集ドラマとしてNHK総合テレビ・NHK BS4Kにて放送されており、AmazonPrime等の配信サービスでも視聴できます。出演は、岸辺露伴役の高橋一生、泉京香役の飯豊まりえの2名がレギュラーで各シーズンや各話ごとに、ゲスト出演者が登場する形式になっています。原作は、同名の荒木飛呂彦による日本の短編漫画シリーズで、一部『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』のストーリーが組み込まれています。

ドラマにて映像化されたストーリーは以下の通りです。基本的には3話で1シーズンとなっています。シーズン3だけ2話となっています。

第1話富豪村
第2話くしゃがら
第3話D・N・A
第4話ザ・ラン
第5話背中の正面
第6話六壁坂
第7話ホットサマー・マーサ
第8話ジャンケン小僧
ストーリーリスト

感想

漫画の実写化と聞くとどうしても警戒しがちで、さらにはジョジョのスピンオフ、岸辺露伴という人気キャラクターの登場とくるとかなりのハードルの高さを感じざるを得ないが、それを余裕で超えてきた。とにかくハマり役すぎる。さらにはスピンオフ作品でありながら、本編を読まなくともこの作品を純粋に楽しめるような改変が見事にマッチして、単純に一つの映像作品として完成されている。単なる実写化とは違う、新しい作品として完成度が非常に高い。

まず観ようと思ったときに、サムネイルの画像を観て、あの特徴的なヘアバンドや衣装など見事に再現できてるなぁとでも実写化だし演技とかどうなんやろ?と最初は思いました。観てみると、高橋一生の演技がとにかく光る。見た目だけでなく動きから何まで完全に再現していて驚きました。実際にいたらこんな感じやろうなぁというイメージそのまんまでした。

作品の特徴として、スタンドが一切出てこないというところがあります。これはジョジョの奇妙な冒険を観たことがない人でも単純に一つの作品として楽しめるようにという工夫だと思います。では、ヘブンズドアーはどうなっているのかというと、天からの贈り物であるギフト(特殊能力)として説明されています。スタンドという言葉も一切出てこない徹底ぶりです。さらにシーズン2や3から初めて観る人でもわかりやすいように各シーズンの1話には特定のセリフを絶対に入れています。「人の過去や記憶を本にして読める能力を持っている。これをヘブンズドアーと名付けた。」という説明、そしてセリフとは限らないですが、漫画家の姿勢としてリアルを追い求めるという2つの説明が必ずあります。これによって岸辺露伴とはこういう人物だよーというのを毎シーズン欠かさずに説明しています。

各話完結という形ではなくて、各シーズンで一つの物語が完結するという見せ方になっています。例えばシーズン1では、平井太郎(中村倫也)という人物が登場し、この人物にまつわり物語が1シーズン展開されます。シーズンごとに物語のテーマがあってそれに沿って進んでいくという感じです。本来は1話完結の話を無理なく繋げていて、ストーリー上も破綻していないのですごいなぁと思いました。

どのお話も面白いですが、個人的には「くしゃがら」「ザ・ラン」「背中の正面」が好きです。「くしゃがら」はとにかく森山未來の演技力が素晴らしいですね。あの憑りつかれた感じのリアルさは圧巻でした。「ザ・ラン」は橋本陽馬の狂気が表現されていて良かったです。髪型まで再現されてたのはちょっと面白かったです。「背中の正面」はジョジョの奇妙な冒険本編のストーリーですが、岸辺露伴の魅力が詰まってて好きです。また、市川猿之助の演技力も素晴らしいです。

単純にドラマ作品として楽しめるようになっているので、原作を知らない人にもおすすめです。また一部エピソードは現在配信停止となっていますが、2023年9月以降順次再開されるようです。

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