【アニメ感想】「TRIGUN STAMPEDE」
公式サイト:アニメ『TRIGUN STAMPEDE』
2023年1月7日~3月25日まで放送。内藤泰弘による原作「トライガン」をアニメ化した作品です。といっても少し複雑で、過去に2回TVアニメと劇場アニメで映像化されていますが、主人公であるヴァッシュの内面を軸に物語を掘り下げるというコンセプトのもと制作されています。そのため、世界観やキャラクターの設定を新たに再構築しています。
原作も前作のアニメも観たことがない完全0の状態で視聴しました。AmazonPrimeで前作のアニメの1話だけあらすじを読んで、主人公の見た目が違うのと賞金の額が違うぐらいのところは認識していました。
感想
観るまでは砂漠のビジュアルと賞金首、リボルバー的な銃を持っているので、西部劇的なハードボイルドな感じでストーリーが進んでいくのかなと想像していました。主人公も「ヒューマノイドタイフーン」という通り名つきでおまけに賞金首なので、やばいやつが出てくるのかと思いながら観るとまさかの平和主義者。イメージと結構ずれていたので最初のほうはどうだろうと思いながら観てました。最初のほうは、主人公の思想などもあまり分からないので、なよなよしているように映ってしまいイライラする人も多いかもしれません。
しかし5話あたりで、ニコラスという新キャラクターが主人公たち一行に新たに加わります。この辺りから面白くなってきます。前述でイライラしてしまっている人たちが言いたかったことをすべて言ってくれます。主人公のヴァッシュが理想主義者であるなら、ニコラスは現実主義者でしょう。また、ニコラスは観ている人にこの「ノーマンズランド」という惑星での現実と生き方を教えてくれる存在でもあります。ニコラスの登場からなぜヴァッシュが「ヒューマノイドタイフーン」と呼ばれるのか明らかになってきます。
ストーリーの主軸としては、「プラント強奪事件」と「ミリオンズ・ナイヴズ」を追っていく流れとなります。「ミリオンズ・ナイヴズ」はヴァッシュの双子の兄である「ナイ」が指揮していることから、現在の時間軸と過去の回想を行ったり来たりしながら、事件と組織の謎を明らかにしていくという感じです。ストーリーを読み解いていくと、「ナイ」と「ヴァッシュ」の双子は、各々に役割があるように思えました。「ナイ」は破壊、「ヴァッシュ」は調和という役割がしっくりくるのかなと思います。どちらか一方でも強すぎると崩壊してしまうので、二人で一つお互いにバランスを保ちあうというのがこの世界で与えられた使命なのではないかと思いました。
現在と過去を行ったり来たりするという都合上少しわかりづらい部分もありました。正直、観ていてちょっと微妙かもと思うことが何回かありました。11話までは。せっかくだから最後まで観ないとと思って12話を観たら、あり得ないぐらい面白かったんですよ。墜落寸前で、地面まであと1mぐらいだったのが、12話で一気に火星まで飛んで行ったぐらい面白かったです。とにかくアクションがかっこよくて、ここまでの話でアクション要素はあんまりなかったなかで、異常なほどかっこいい。話の内容も、ここまで細かく細かく積み重ねてきたものが形になって表れたような感じで最後まで観てよかったと素直に思いました。
世界観はとにかくいいです。SFと西部劇が混じったような、どこか荒廃した世界でありながらサイバーチックな技術や道具が発展していてとても魅力的でした。いくつか都市を旅しますが、どれも魅力的な都市でこの世界の暮らしや都市をもっと観てみたいと思いました。一番好きなのは「ジュライ」という街です。一番栄えている都市という設定で、サイバーパンクっぽい感じが好きでした。世界観という意味で重要なのが、エンディングの後に毎回、コンセプトアート的なものが映し出されるのですが、どれも素晴らしいです。最近は動画配信サイトの設定でエンディングが飛ばしがちでしたが、欠かさず観ていました。
世界観とキャラクターが魅力的な作品で僕は結構好きでした。途中ストーリーが失速しているように観えたのが少し残念ですが、最終話で一気に巻き返していて良かったです。完結編も制作されるようなのでそちらも楽しみに待ちたいと思います。
おまけ
完結編の制作が決定したようです。
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