【映画感想】「さよならの朝に約束の花をかざろう」

公式サイト:映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』公式サイト

2018年2月24日公開ですが、2023年9月8日から1週間限定公開されていました。

監督・脚本は岡田麿里、アニメーション制作会社はP.A.WORKSです。キャラクター原案は吉田明彦です。

予告編

感想

別れという確定した運命がとても儚い。別れという確定した運命に向かいながらも、エリアルへの愛から姿は変わらないながらも、強く成長していく主人公マキアの姿がとても美しい。最後には、優しい気持ちと母親への感謝の気持ちが強く湧いてくる。

最初のシーンを観たときに「イオルフ」という種族の生活がとてもきれいで、あっという間に引き込まれていきました。不老長寿という普通の人間とは異なる特異な一族なので、干渉しないように離れて暮らしているんですね。この静かに布を織りながら日々過ごしている日常がすごくきれいでした。この後のシーンで人間の醜さや強欲さがあらわになるのですが、前半の美しさとの対比がとても壮絶で苦しさを感じました。

本作品の最も魅力的な部分は、マキアとエリアルの親子関係だと思います。最初はお互いに独りぼっちだからという共通点という部分が大きかったのかもしれません。ただ物語が進んでいくにつれて、本当の母親として成長していくマキアにすごく心を動かされました。エリアルも子供から大人へ成長していき、親離れとかもしていくんですが、やはり母は強いと何度も思わされました。いろんな運命で離ればなれになるんですが、戻るとやはりそこには母がいて、助けてくれる。クライマックスには思わず涙がこぼれてしまいました。

次に魅力的に感じたのは世界観です。世界観的には、マスケット銃が普及するかしないかぐらいの中世ぐらいの世界観です。その中に、人間と古の種族が存在しているというような感じです。古の種族というのはイオルフだとかの特殊な能力や生物たちのことです。かつてはたくさんいたけれど、だんだん絶滅していっているという設定です。その中でメザーテという国が覇権をとるために古の種族たちを強引に取り込んでいます。吉田明彦さんのキャラクターデザインも相まって、王道のファンタジー世界という感じで表現されていてすごく好きでした。

物語の流れもすごく良いと思いました。キャラクターたちが成長していく過程が描かれているのも好きですが、やはり最後のシーンが一番のお気に入りです。種族としての向き合い方や運命が描かれますが、最初に村長が話していた村のおきてが相まって、すごくいいクライマックスだなと思いました。

アニメーションのクオリティがすごく高いので、アニメが好きな人には間違いなくお勧めできます。観た後は優しい気持ちになれるストーリーなので機会があればぜひ一度観てみてください。

おまけ

入場者特典のクリアカード
クリアカードなので写真撮るのが難しかった…

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