【映画感想】「RUN」

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2021年6月18日公開。監督はアニーシュ・チャガンティ、主演はサラ・ポールソンとキーラ・アレンです。続編が2023年4月14日に公開予定(公式サイト)の「search」の監督と製作チームがスタッフとして参加しています。またキーラ・アレンは本作が映画初出演となっています。

あらすじ

郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつき慢性の病気を患い、車椅子生活を余儀なくされている。しかし常に前向きで好奇心旺盛な彼女は、地元の大学進学を望み自立しようとしていた。そんなある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑のカプセル。クロエの懸命の調査により、それは決して人間が服用してはならない薬だった。なぜ最愛の娘に嘘をつき、危険な薬を飲ませるのか。そこには恐ろしい真実が隠されていた。ついにクロエは母親から逃れようと脱出を試みるが……。

公式サイトより
30秒予告編

感想

ジワジワとまるで薬のように効いてくるこの怖さはなんだろう?緊迫の連続でハラハラ、ドキドキ、思わず手に力が入り、走り出してしまいたくなるほど!狂気が連続投与され感覚が麻痺してしまった状態で迎えるラストはまるで注射針を刺されたようでした。

予告やキャッチコピーなどを観ると、母親の異状性についてアピールされていますが、序盤ではむしろかなり良い母親では?と思えます。娘のクロエとも良好な関係に見えます。ですが、何か変な突っかかりがあるんですよね。この突っかかりは直接描写されているわけではなくて、会話の節々や生活の中から見え隠れしています。序盤であった突っかかりを最後まで観た後に思い返してみると、なるほどなとすっきりしました。

中盤あたりで新たな薬を渡されます。ここからクロエの様々な調査が始まるわけですが、たくさんの病気を患っている+車いすなのでとにかく一つ一つの調査が緊迫の連続です。観てる最中は思わず、歯を食いしばったり、手に力が入ってしましました。ここの調査の段階でも、微妙な気持ち悪さが見え隠れしてジワジワと怖さが蓄積してきました。

中盤で「母親がおかしいのでは?」となってくるんですが、序盤の雰囲気があったので「もしかして母親が正しいのでは?」と考えながら観ていました。しかしながら、そんな疑惑も吹き飛ばしてしまうほどのイカレ具合を終盤で目の当たりにしました。

作品のテーマとしては、「行き過ぎた愛」がテーマなのかなと思いましたが、もう一つのテーマとして「依存」もあるのかなと思います。「行き過ぎた愛」については、作品全体で表現されてるのでわかりやすいと思います。「依存」については、ラストシーンをどう捉えるかで別のテーマにもなりえるのかなと思います。おそらく最も衝撃である最後の映像だけを切り取ると、別のテーマに見えると思います。しかし、シーン全体を振り返って、セリフなども合わせてみるとやはり「依存」というのがしっくりくるのかなと思いました。

緊張感のバランスもちょうどいい塩梅で出演俳優の演技も素晴らしいので、サイコスリラージャンルが好きな人には間違いなくお勧めできると思います。また、強烈なグロ描写などもないのでサイコスリラージャンルが初めての人にもおすすめです。

RUN/ラン(字幕版)

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