【映画感想】「岸辺露伴 ルーブルへ行く」

公式サイト:映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』公式サイト

2023年5月26日公開。テレビドラマ版のキャスト・スタッフがそのまま続投で主演は高橋一生。荒木飛呂彦の同名漫画が原作。一応テレビドラマ版シーズン3と大きな影響を与えないレベルで繋がりがあります。

予告編

感想

ドラマ版の魅力はそのままに高橋一生演じる岸辺露伴のさらなる魅力が詰まった作品。ドラマ版からの視聴者は必見だが、初めて観る人に対してのサービスもあり、文字通り誰が観ても楽しめるようになっている。俳優の演技だけでなく、美術や衣装などもすべてに違和感がなく、組み合わさっていて心情や雰囲気が制作者の意図したとおりに読み取れるようになっている。

まず観ていて最初に思ったのは、映画から観はじめる人への配慮が素晴らしいと感じました。ドラマ版でも各シーズンの最初にはお決まりの、「記憶や感情を本にして読める。書き込んで指示できる」「この能力は天からのギフトでヘブンズドアーと名付けた」「漫画作品にはリアリティが重要」という3つの説明が本作でもきっちりされていました。単純にドラマ版の続きですよとすれば、省ける表現ではあるのですがきちんと入れいるというところはすごく丁寧だと思いました。ドラマ→映画、映画→ドラマの順番で観る人も楽しめるような工夫だと思います。

作品全体としてリアリティが一つのテーマでもあるのかなと思いました。もちろんそれは俳優の演技にリアリティを感じるというのもありますが、衣装やセットでの小道具など画面に映っているすべてのもので感じ取れました。こういう性格だからこういう言動をするというのに合わせて、こういった衣装を好む、こういうものが好きというのが丁寧に表現されていて、作中の行動への違和感がありませんでした。パンフレットで振り返ってみると、制作側が意図しているイメージと同じだったので、後から振り返ってもリアリティがテーマなのかと思いました。特に青年期の岸辺露伴はまだ大人になっていないこともあり、定まっていないふんわりしたようなイメージが表現されつつ、現在と変わっていない部分もある、そんな現在と青年期での違いがきれいに感じました。

ストーリーでは、岸辺露伴のルーツに触れるということもあり過去の出来事と現在の出来事を描くような形式になっています。ロケーションが違うので、時間軸の流れ自体はかなりわかりやすいと思います。タイトルにもなっている通り、ルーブルへ行くということなので、ストーリーで当然ルーブルに行きます。フランス、ルーブル美術館での場面は、ロケーションはもちろんのこと、天候までもがきっちりハマっていてストーリー上の雰囲気を読み取るのに一役買っているように感じました。完全な悪天候ではないんですが、少しどんよりした感じが場面とマッチしていて良いなぁと思いました。また、原作ではなかった表現や表現しきれてなかった部分が追加されているようなのでその部分も必見です。

文字通り誰でも楽しめるようになっていると思うので、ドラマ版の視聴有無に関係なく観れます。2023年8月現在でも少ないですが、劇場公開しているところがあるので機会があればぜひ観てみてください。

おまけ

パンフレット。作品のテーマ「黒」をイメージした表紙が特徴的です。映画版の内容だけでなく、ドラマ版のミニ解説も収録されているので、ファンの方は買いです。キャストやスタッフのインタビュー、プロダクションノートも収録されています。劇場だけでなくオンラインストアでも購入できます。
岸辺露伴 ルーブルへ行く|グッズストア

岸辺露伴キューピー。かわいい。

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