【アニメ感想】「不滅のあなたへ Season2」
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NHK Eテレにて2022年10月23日から2023年3月12日まで毎週日曜19時から19時25分に放送されていました。AmazonPrimeやNetflixなどでも配信されています。原作は週刊少年マガジンにて連載されている、作者・大今良時の「不滅のあなたへ」です。原作の第1部「前世編」をアニメのシーズン1、2で描いています。
シーズン2は、シーズン1の最後から数十年たったところからスタートします。
感想
シーズン1では明確な仲間というものはいませんでした。どちらかというと、獲得した人や生物を使って一人で戦う場面が多かったです。その結果、出会った人々の死を抱えきれなくなってしまうわけですが…。シーズン2では、仲間が一つのテーマになっています。そしてもう一つ、未来へ託すというテーマも描かれているように感じました。
まず始まりとしては、出会った人々を失うことに耐え切れなくなってしまい遠く離れた島でひっそりと暮らしているところから始まります。シーズン1での経験を経て、主人公であるフシはかなり人間的になっているように感じました。物語序盤部分は、心を閉ざしてしまっているフシが更生して、再び社会と関わろうとする心の回復を描いています。脅威であるノッカーの活動を聞いて、だれも失いたくないという思いのもと、半ば強制的に回復したようにも見えました。最初より回復してはいるんですが、どこか不安定さがあるという感じです。
物語中盤から終盤にかけては、仲間をテーマに動き出します。仲間を求めるわけですが、やはり序盤の誰も失いたくないという考えがジレンマになっています。フシは不死身という特性上、生命の中で必ず存在する死という運命を唯一回避している異質な存在です。この異質さ故に苦悩するところは、とても人間的に感じました。
中盤では大きな転換点が存在しており、世界の理を覆すようなある事実が明らかになります。ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、ストーリーそのものがぶっ壊れるような要素でもあったにも関わらず、最終的にはフシの成長なども含めていい形でまとめられていたのはすごくよかったです。
本作で一番良いキャラクターは「ボンシェン・ニコリ・ラ・テイスティピーチ=ウラリス」一択でしょう。彼は登場時点ではかなり怪しいキャラです。発言や行動はフシ目線で見るとかなりうざく感じることでしょう。しかしながら、国民からはかなりの支持を誇ってるなど人徳がある部分もあります。最初はなぜこんなに支持があるのか一切わかりませんでしたが、物語が進むごとに理由が分かってきます。フシにとっても重要な人物となっていく過程も含めて素晴らしいです。
本作で一番よかったのは最終話である20話です。最終話なので深く語るとネタバレだらけになってしまうのですが、未来へ託すために人生を全うするというところは、本作品すべてにおいてのテーマであると思うので、このテーマがとても美しく表現されていて好きです。また、薄れがちであった最初の少年が成し遂げたかったこと、最後に言い残したことに対しても描かれているのは素晴らしかったです。
おまけ
シーズン2放送終了後に、公式Twitterにてシーズン3の制作決定が発表されました。原作の第2部である「現世編」を描く内容となるようです。
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