【映画感想】「ガンズ・アキンボ」

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2021年2月26日公開。監督はジェイソン・レイ・ハウデン、主演は「ハリーポッター」シリーズでおなじみダニエル・ラドクリフです。

あらすじ

ゲーム会社のプログラマー、マイルズはネットのコメント欄に過激な書き込みをする(クソリプ)で日々の鬱憤を晴らしていた。ある日、殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」でクソリプ祭りをしていたマイルズは、「スキズム」の運営に特定されて襲撃されてしまう。目を覚ますと、マイルズの両手にはボルトで拳銃が固定され、「スキズム」に参加し最凶の殺し屋ニックスと戦って24時間以内に勝てと命令される。

予告編

感想

いかにもB級映画と言わんばかりのおかしな導入からダニエル・ラドグリフの熱演に気が付いたら目が離せなくなる。主人公に取り付けられた2つ拳銃はまさに現代の我々を象徴しており、日常で触れるSNSや動画配信などから手を離せない現代社会に酷似している。コメディ映画でありながら、本作品に映されているものは、配信・動画社会になってしまっている現代社会への皮肉が込められている。

あらすじや導入部分を観ると「何だこの導入は?」と思うんですが、やはりダニエル・ラドグリフの熱演が光ります。典型的ないわゆるネット弁慶を見事に演じ切っています。ネット上でイキってるやつ、現実世界で会うと一般人を地で行っています。ネット上と現実世界でのギャップが面白いです。

ネタ映画に見えますがアクションシーンはかっこいいです。アクションシーンのテンポもいいですし、気づいたら目が離せなくなっていました。ゲームチックな演出もなかなかよくて、現実なんですがどこかバーチャル世界のような雰囲気が結構好きでした。血が飛び散ったりなどバイオレンスな描写も多いですが、随所に見られるコメディ要素がいい感じのバランスになっており、そこもクセになりました。

おバカ映画に見えますが、ストーリー展開を観ているとどうにもおバカ映画という皮をかぶった現代社会に対する皮肉が随所に込められています。自分とは無関係だと主人公に対して思いがちですが、主人公の手に取り付けられた拳銃はSNSや動画配信、スマートフォンを暗示しているのではないか?と思えてきます。作中に登場する人物たちは、面白さや再生数を求めてどんどん過激にエスカレートしていった末路に近いのではないだろうか?そう考えてしまいます。最近話題になる暴露系や迷惑系のSNS関連のニュースを眺めていると特にそう感じます。

特に考えずにも観れる作品ですし、作中の要素をいろいろ深読みしてみると新たな視点が見つかる面白い作品だと思います。

ガンズ・アキンボ(字幕版)

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