【映画感想】「ブラック・クランズマン」
基本情報はこちら。※公式サイトが閉鎖されてるようなのでfilmarksのサイトです。
ロン・ストールワースが2014年に出版した回顧録「ブラック・クランズマン」を原作とした作品です。日本でも2019年にパルコ出版より出版されています。原作が回顧録ということなので本作は実話をベースにした内容となっています。
主演は「TENET」などでおなじみジョン・デヴィッド・ワシントン、そして「スターウォーズ」カイロ・レン役のアダム・ドライバーが出演しています。
感想
白人至上主義団体であるKKK(クー・クラックス・クラン)に黒人警察官が潜入捜査する実話をもとにしたストーリーという何とも面白い内容しかない一方で、現代の出来事に対してより考えさせられます。昔の出来事を知って、今を考えさせる温故知新のような作品です。
ジャンルとしてはバディ刑事ものになると思います。従来のバディものだとお互いの仲が良くなっていってみたいな過程がよくありますが、本作ではそういったものはありません。あくまで仕事上の関係でそれ以上に深い関係は作品の中では見受けられません。しかし、こういったところからお互いにプロの刑事であるという思いが伝わってきて、コメディチックな部分もありながらもかっこよさがあります。
全編を通して主人公の正義感はすごいと思いました。とにかく世界をよくしたい、何とかして警察のイメージを変えたいそんな思いが様々なところから伝わってきました。本作で描かれているKKKまでとはいきませんが、どうしても我々は一つのイメージを集団で当てはめがちです。例えば、暴力事件などがあった際に犯人が所属しているグループや人種などでまとめてあのグループは野蛮だと批判してしまうことが多いです。集団ではなく個を見ることの大切さを改めて実感しました。
この映画が公開された2017年付近といえば、トランプ大統領の就任、BLM(ブラック・ライヴズ・マター)活動の激化などアメリカの人種問題が注目されたときでもありました。こういった問題に対する風刺や問題提起、そして映画がもたらしてしまった影響をコメディチックな本作品の中でしっかりアピールしています。
一部社会問題や人種問題に触れていて、難しそうと思った人もいるかもしれませんが、作品自体は娯楽映画に近いのでしっかり楽しめると思います。
視聴後にはこちらを読んでいただくとより楽しめると思います。実際に潜入調査を行ったロン・ストールワースのインタビューが載っています。本物の会員証もあります。
ブラック・クランズマン (字幕版)
ブラック・クランズマン (吹替版)
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