【映画感想】「THE BATMAN」

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バットマンといえば、「ダークナイト」3部作や「ジャスティスリーグ」などいくつか作品がありますが、今作はそれらとは繋がりはない新しいバットマンです。キャストも一新しており、前回シリーズのベン・アフレック版のゴツイバットマンとは違い、スマートな感じのバットマンとなっています。設定上もバットマンとしての活動を始めて2年ということからかなり若いです。予告編では、「ジョーカー(2019)」について言及されていますが、こちらは観ていなくても問題ないです。観ておけば楽しめる要素があるわけでもないです。ただ名作ではあるのでお勧めです。

予告編

感想

最初観たときの印象は「こんな不安定なヒーローがいていいのか」と思いました。今までの「バットマン」はどれも完成されているイメージでしたが、今作のバットマンは活動を始めたてということもありすごく不安定な印象を受けます。ただ、いままで若いころのバットマンを描いたものはあまりなかったと思うので、新しい視点ということですごく楽しめました。↑で貼り付けた予告だけ観ても、本当にヒーローなのか疑わしい部分もいくつかあります。(その辺のチンピラを殺す勢いでぼこぼこにしたりとか…)「バットマン アーカムアサイラムシリーズ(ゲーム)」で「人を殺していないだけの狂人」というような言われ方をしているシーンもありましたが、まさにその言葉がしっくりきます。メイン悪役のリドラーも同ゲーム中だと「なぞなぞおじさん」というようなイメージでしたが、かなり凶悪になっていてイメージを覆されました。

この作品を一言で表すと「闇」という感じです。心の闇、夜の闇などいろんな闇がてんこ盛りです。舞台のアーカムシティは治安も終わってるし、天気も基本曇っているし、主人公も心の闇が深いしとここまで描いてるからこそ最後のシーンがとにかく際立ちます。劇中に流れるNirvanaの「Something In The Way」もとにかくしっくりきます。悲壮感を感じるこの曲がこの作品のバットマンにとにかくぴったりです。

ストーリー、アクションともに間違いなくいいですが、見せ方がすごくいいです。映像的に黒にこだわっているような印象を受けました。演出のために映像をすべて真っ黒にしている作品はなかなかないと思います。観てみると分かると思いますが、僕はこの真っ黒にしているシーンからの流れが大好きです。本当に光が一つもない。唯一ある明かりは銃を発砲したときに出るマズルフラッシュだけです。もう一つのお気に入りはカーチェイスのシーンです。予告編にも一部ありますが、転倒し、炎上するバットモービルからバットマンが現れるシーンは恐怖すら覚えます。

あとは細かいですが、マスクを取ったあとに目の周りに黒いメイクが残っているところは今まで描かれていない部分だったのでおお!と思いました。

最近はどうにもMARVEL作品に押されがちな印象を受けますが、今作はDC作品の強みを全力で活かしている作品だと思うので個人的にはこの路線で続けてほしいなぁと思います。

ちょっと暗い気持ちになってしまうかもしれませんが、ダークな雰囲気が好きな人には間違いなくお勧めできます。単純なアクションものとは違って、ミステリーものの側面もあるのでミステリーものが好きな人にもおすすめです。NETFLIX等で配信しているので、ぜひ観てみてください!観た後はNirvanaのアルバムが買いたくなるはず?僕は買いました!

THE BATMAN-ザ・バットマン-(字幕版)※一部水害のシーンがあるのでお気を付けください。