【アニメ感想】「アーケイン」

基本情報はこちら

Netflixオリジナルアニメシリーズで「VAROLANT」、「League of Legends(以後、LoL)」でおなじみのライアットゲームズがNetflixと提携して企画、制作した作品です。今作は「LoL」のなかで登場する一部のキャラクターの前日譚を映像化しています。ストリーミング配信作品で初めてエミー賞アニメ部門を受賞、第49回アニー賞においては、テレビシリーズ部門において作品賞を含む9冠に輝いています。

予告編

感想

「LoL」は少しだけプレイしたことがありますが、各キャラクターの設定は何となくで名前も何となく知っている程度なのでほぼ知識ゼロの状態でこの作品を観ました。ゲームのアニメ化作品ではあるんですが、プレイ済みの方はそのゲーム性からアニメ化?となると思います。今作はゲーム本編そのままではなくて、ゲームより過去のお話となっています。

観てみるととにかく作りこみのすごさに圧倒されました。アニメはどこか漫画チックな感じではあるんですが、温度や湿度などその世界で生きている感覚を感じることができます。世界観もしっかりその場所の文化や思想が描かれています。今回は、「ゾウン」と「ピルトーヴァー」という2つの都市がメインの場所になります。それぞれ上下の関係になっていて、「ピルトーヴァー」は地上にある都市で明るく豊かな印象、ですが、「ゾウン」は「ピルトーヴァー」の地下にある都市で、暗く貧しい印象になっています。この2つの都市の文化や思想がきっちり描かれているので、各陣営のキャラクターの行動原理に説得感があります。

魔法やスチームパンクな街並みなど描かれているものはどこかファンタジーチックなものですが、作品のテーマは「人間として普遍的な感情」を描いています。異世界で超人的なパワーのものやガジェットが出てきますが、描かれているものは愛情だとか誰しもが感じたことのある感情をテーマにしていると思いました。特に今作は、「ヴァイ」と「パウダー」という姉妹がメインに描かれています。この二人の思いや感情は特に丁寧に描かれています。

知識ゼロの人でも楽しめるというコンセプトのもと制作されているので、すごく丁寧で世界観への引き込みがすごくうまいなと思いました。実は今回出てくる都市だとかキャラクターの設定は、アニメ化するにあたって新しく作った設定ではなく、元のゲーム内で最初からある設定なんですね。なので、ゲームをやったことがある人も楽しめます。それぞれの都市出身のキャラクターも登場するので、そこも楽しめるポイントです。

全9話で1話あたり40分と長めですが、話の展開がとにかく面白くサクサク観れてしまうのでおすすめです。ゲームをやってる人はちょっと休憩がてらにいかがでしょうか?また、シーズン2の制作も決定しているようなので今後の展開も楽しみです。